連続勉強会 まちづくり法制度を考える 第2回
開発建築紛争の予防とまちづくり条例 ~紛争予防・紛争調整の多様な仕組みを学ぶ~
8月21日の第1回は「まちづくり条例の全体像と最前線」というテーマで、大変有意義なお話を聞きました。
対話を必要としない土木等の事業だけが進み、市民同士の権利が錯綜している中心市街地の復興まちづくりが遅れている被災地の現状に象徴されるように、今、自治法改正で地域分権が進む日本では、市民と行政とが寄り添い共に公共的価値を実現することがまだまだ難しいのが実態。まちづくり条例の性格と分類は様々だが、歴史的には、土地所有の絶対に縛られ都市法できっちり決められた基準に一元的に従っていた時代から、地域内分権で市民の意向に沿い、財産権を適宜制約する方向で法や条例を選択的・多元的に適用し調整する時代に移行しつつある。
そんな中で土地所有や土地利用の変動を事前に早めに察知して協議を始める仕組みが有効ということがわかってきた。しかし行政は未だ土地所有権・財産権の不可侵性に縛られ、市民福祉と統治との板挟みで思考停止に陥りがち。法令解釈や適用を地域性に合わせ柔軟におこなう政策法務に強く、法への従属性が低い一握りの行政職員と良好な関係を築き、使いこなすことが重要となる。
3回共通のコンセプトとして、「地域の意思や良識が確実に反映されるまちづくりの仕組み」を考えて行きますが、第2回は多くのみなさまの最大の関心事、紛争調整と予防の手法についてです。有意義なお話を期待できますので、ぜひご参加ください。