東海道品川の宿
品川区についてはこれまで、品川ナンバー、湾岸開発のマイクロソフトやソニー誘致、北品川の原美術館などに象徴されるハイソでおしゃれで先進のイメージをいだいていました。最近では、中延地域の地域通過や高齢者中心のコミュニティ活性化、目黒川の親水遊歩道やおしゃれな川沿いカフェなど、まち歩き・川歩きを楽しませていただいていますが、今回一転して東海道の宿場というレトロで庶民的な一画の息の長いまちづくりの手法に触れ、まちづくりのうまくいっている地域に共通するコンセプトを改めて確認した思いです。
●ひとつは、観光客(=通り過ぎる人)のためでなく住民の生活重視ということ。旅人向けではなくあくまで身内向けに、町の歴史性・アイデンティティを子孫に守り伝え、自慢したいというのが動機だそうです。江戸時代の街道・宿場というと、もろ観光まちづくりと思いがちですが、これは以前にも書きましたがドイツのロマンティック街道などでも同様です。
25年活動を続けている「旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会」のみなさんは、その中でも、外の人・若い人の参加を歓迎し、外からと内からの価値観のずれもそのまま、変なところは変なままでそこがよい、と堂々売りにしてしまいます。土日まち歩きの観光客のために開店することはあまりなく、生活道路は生活必需品を運ぶために車も通す。狭くても拡幅せず、むしろ線引きで狭め、ガードレールはつくらず車が来るよ~危ないよ~で対応。もちろん旅人のためのサービスも 忘れませんが、ただし一挙両得型です。空き店舗を利用したお休み処や外国人向けのゲストハウスがそこここに。
夜間保育や延長保育にいち早く取り組んだ品川区ですが、在宅保育者支援としてのリフレッシュや交流と、商店街活性化としての空き店舗活用をうまくマッチングさせ、若い世代を古い町に引き寄せるまちづくりコーディネートとしても成功していると感じました。
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