日本は原発社会から離脱できるか
2011年7月7日|コラム
新宿のロフトプラスワンで昨晩おこなわれた”マル激公開収録”に行ってきました。
宮台真司×飯田哲也「原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて」講談社現代新書出版記念トークライブ
【出演】
宮台真司(社会学者) http://www.miyadai.com/
飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長) http://www.isep.or.jp/
【司会】神保哲生(ジャーナリスト) http://www.videonews.com/
【Guest】保坂展人(世田谷区長) http://www.hosaka.gr.jp/
なかなか刺激的でした。
京大で原子核工学を学び神戸製鋼時代にスウェーデンに留学したという飯田哲也氏は、エネルギー会社が電気を宅配感覚で供給し、あるいは風力協同組合がまちの電気を自給自足する、電気を自治するヨーロッパを目の当たりにして、エネルギー社会政策を考え始めたと言います。
リアリティをもった知識がなく、抽象思考ができず相対化できない日本の知識階級のトップと、最終目標や最終形に向けて今のリアルを変えることのできない日本の政治と社会。
今、自治から変えないといけないし、空洞化した何も考えられないトップの下で日々真面目に暮らしても何も変わらない。
脱原発ではなく、エネルギー社会政策としてエネルギーシフトを考えるべきときだと言う。
宮台氏は、日本は自治のない社会だと言い切る。
政治理念で選ばず、人を頼りお任せする。
お任せしていたのに悪いことをしたときはお灸をすえるが、またいつの間にかお任せに戻る。
あ~、なんか文京区のことを言われているようで情けない。
神保氏は、3.11後の変化で一番印象的なのは、経産省と文科省記者クラブ以外でも原発の記事を書いてよいことになったことだと言う。
信じられないがそれが日本の現実。そしてまた、喉もと過ぎて再び経産省と文科省の独占に戻る気配があるそうだ。
恐らく情報の一元化とか事実が正確に伝わらないとか混乱を招くとか、どこかで聞いたことのあるような理屈がついているのだろう。
脱原発を掲げて日本で初めて当選した首長の保坂展人世田谷区長は、まず情報開示をあげた。
東京電力に要望してグラフを公開させ、23区の電力使用量を見える化した。
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/d00035118.html
社会変革は真ん中からは生まれない。周辺から社会を変えるしかない。国や都の動向を注視し準じるだけでは改革志向は達成できない。ぜひ文京区から。
試行実験として、電力の成分表示(放射能○○%とか、CO2排出○○kgとか、ロス率○○%とか)、放射能を毎年○○%低減しなければならないという条例をつくるなどの提案があった。
正しいと思っても自分だけでは変えられない。諦めずに伝え続けることが大事。
何を知らされていないかを知ることはできない、だから情報をこちらから取りに行く努力が必要。
そして、情報はまず出す、受け手を信用して、受け手の側でコントロールさせればよい。
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