請願が本会議で逆転採択される痛し痒し

長かった9月定例議会が昨日終わりました。
建設と厚生の各委員会に付託され、自民・公明の反対で不採択となった請願5本が、最終日の本会議で起立表決により一転採択されました。

羽田便の文京区上空飛行の停止と実態に即した住民説明を求めていく請願、これ以上銭湯を失わないよう対策を求める請願、原発の収束宣言を撤回し再稼働や輸出をやめるよう求めていく請願などなど。

東京新聞したまち面に大きく載りました。
www.tokyo-np.co.jp/…/…/201510/CK2015102102000170.html

羽田便については特に社会面でも取り上げられました。
www.tokyo-np.co.jp/…/…/201510/CK2015102102000131.html

今、丁度これを書いている午前0時20分、飛行機のゴーッという音が(6000ft以上上空なのかもしれませんが)聞こえています。夜中の陸風の中、北に向かって離陸した機体の発する音でしょうか。

さて、どうしてこういう逆転現象が起きるのか。委員会の会派構成が必ずしも議会全体の会派構成と比例していないためですが、本会議では請願は普通簡易表決で行なうところ、5人以上から異議がある場合は起立表決となるからです。(文京区議会会議規則80条)今後も逆転の可能性がある場合は今回と同様起立表決を行うことが幹事長会で確認されました。

昨年12月と今年の2月には、今回とは逆に、柳町小増築に関して文教委員会で採択されたものが本会議で不採択となりました。今回は嬉しい逆転ですが、前回は私たちはすごく悔しかったのです。前回は自・公・民が絶対多数で反対でしたが、今回は民主党が無所属や維新の党と未来という最大会派をつくり、賛成に回っているからです。こういうことが起きるのは、会議規則に従えば当然といえば当然なのですが、こうなると請願者としては熱心にロビー活動をして、付託委員会では委員ががんばって討論し審査しても、結局は多数派工作しか意味を持たないということになる。多数派工作でできた最大会派の与するところしか結果としては残らないのも虚しいものです。

建築審査会への事業者側申立書・嘆願書に思う

堀坂・六角坂の住民の皆さんが建築確認や開発許可の適法性を巡り、署名活動、裁判、審査請求などで長年争って来られたNIPPO/神鋼不動産の小石川2丁目マンションについて、私もずっと関心をもって追い続けてきました。

建築審査会から9月7日に、係争中の審査請求の裁決があるまで建築確認の執行を停止する決定が出されました。これを受け現在工事は停止していますが、マンション事業者の代理人から申立書(10月5日)と嘆願書(10月8日)が出され、その中で、証拠物件として私のブログが採用されたことを知り、大変驚きました。(写真参照)nippo-20151105-1nippo-20151105-2

審査請求人が審査会の傍聴を区民に呼びかけるために配布した「小石川二丁目マンション審査請求の経緯のご説明とご協力のお願い」
koishikawa2.mansion.michikusa.jp/documents/koishikawa2-kotoshinsa-20150820.html)の内容から、審査請求と執行停止申立てが企業に損害を与える目的と断じられ、公序良俗違反、権利濫用とのそしりを受け、その証拠とされたものです。

数日後、改めて申立ての内容を読み直し、怒りが沸々と込み上げています。まだ審査中で適法と決まったわけではないのに、適法を前提とする差し出がましい申立てであり、しかも同列で争う相手方の目的を邪推し、公序良俗に反すると断罪するなど許し難いものがあります。同じ言葉をお返ししたい。粛々と裁定を待つよう申し上げたいところです。

審査請求人が配布した文書の一部が誤解された可能性はありますが、企業に損害を与える目的でないことは疑いなく、事業者側の言うような公序良俗に反する権利の濫用とは無縁な、正当な権利の行使によるものです。

請求人の意図するところは以下のようなことだと推論します。

着工前に高さ制限が施行されると2階下げる設計変更をしなければならず、ダメージが大きくなるから、自分たちを合法と信じ審査が終わりさえすれば晴れて着工できると考える事業者としては、高さ制限施行に間に合う時期に審査が終わるようにしたいのは当然ですが、逆に違法を主張し、高さ制限に従うことを要求する請求人としては、既存不適格の建物が100年間隣にそびえるのは御免なので、高さ制限が施行されるまで着工できないようにしたいということです。審査が終わらないと着工しにくいだろうから審査を長引かせたいと考えるのも当然です。

そして事業者は、着工さえしてしまえばあとは既存不適格になろうが、隣が鬱陶しかろうが関係なく、審査会が裁定する前に早く竣工して訴えの利益がなくなり請求が却下されることを望み、逆に請求人は、着工してしまったら今度は訴えの利益がなくならないよう、竣工する前に採決が出るよう急ぎたいのは自明の理です。審査請求の力学であり、疑わしい建築確認処分に審査請求をするという当然の権利を行使する国民として当たり前の行動です。

これまで長きにわたり、建築計画に疑義があろうがなかろうが、審査請求が提起されていようがいまいが、建築確認がおりれば着工し、建築工事は進み、出来上がれば訴えの利益がないとして請求が却下される理不尽が世の常でした。しかし、ようやくここに来て、周辺住民のエゴでも嫌がらせでもなく、本当に確認の適法性、建築計画の妥当性が問われる場合は、審査会がきちんと審査するために確認処分の効力停止という裁定をしてくれる傾向が認められるようになり、良好な住環境を望む住民にかすかな光が射してきています。

建築基準法や都市計画法など都市法全体が建てる側に有利なように設計され、その法に従うだけの行政も結果として建てる側に寄り添うようになっている現在の建築行政ですが、10年以上におよぶ私費を投じ時間と骨身を削っての住民の粘り強い訴えと、それに呼応して一部の法曹界や建築専門家たちが動いてくれたことが奏功したものと敬意を表します。

良好な環境のまちに土足で踏み込み、都市計画法や建築基準法不適合の疑いのある計画を立て、訴えられても意に介さず、係争中の物件をどんどん売っておいて、周辺住民が故意に購入者への引き渡しを遅らせ、購入者に迷惑と損害を与えた、などという利己的な主張はあまりにも傲慢です。購入者が争点を知っていたかどうかも問いたいところですが、そこは不問に付すとしても、審査請求人への際どい言葉での断罪や、購入者の人生設計に及ぼす甚大な影響まで建築審査会に斟酌せよとの嘆願はあり得ない越権行為、権利侵害です。

営利を目的とする事業体としてのリテラシーを持っていただきたい。同時に、昨今の企業倫理に反する重大な建築犯罪を見るにつけ、事業者が襟を正すことはもとより、元からの住民や住宅購入者も相応の注意を払い、主張して身を守ることの重要さを痛感します。

窮鼠猫を噛むがごとき嘆願書は無視して、審査会の委員の皆さまには、粛々と厳正なる裁定をしていただくよう嘆願したいと思います。

2015年10月17日

違法建築にご用心

巷は違法建築でもちきり。しかし困ったものです。

大手が勢ぞろいして、三井不動産レジデンシャル、三井住友建設、日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材、虚偽記載やデータ転用は犯罪ですね。おまけに東洋ゴムは、今回は建築ではなく船や鉄道の防振ゴムですが、性能の改ざんで3件目の不正です。

横浜市では去年も、住友不動産と設計・施工熊谷組のマンションがやはり杭が支持地盤に届いていなくて傾いた事件が発覚しました。

港区でも去年、設計・販売が三菱地所系列、施工が鹿島と関電工、というマンションが配管のスリーブを設計するのを忘れ、それを修復するために穴をあけたら鉄筋を切断してしまったとかで強度不足になり建替え、というとんまな事件がありました。

多分今回のは、地中の地盤の傾きや地層をきちんと調査せず、平らだろう、どこも同じだろうと高をくくって見切り発車してしまったのでしょう。

運を天に任せて。下手するとどういうことになるか想像力も枯渇して。

これらは当然、工事完了後でも完売後でも人が住んでいても建替えまたは是正ですが、今回も多分そういうことになるのでしょう。

しかしこういう時代になったということは、大手も準大手も中小も関係なく、売れていても住人が決まっていても関係なく、違法は違法、ダメなものはダメということを再確認するしかないのです。

ダメ出しする側からすると、遠慮なく、情け容赦なく、ある意味やりやすいとも言えますが、しかし困った時代です。

資産価値はロシアンルーレットのようなもの。当たるも八卦、当たらぬも八卦。これだけは言えるのは、入居が遅れる迷惑より、疑わしいという風評被害より、避難経路がしっかりし、崖が崩れない実質的安全性が大事ということです。

情報公開クリアリングハウスからのメッセージ

「透明性の欠如したマイナンバー利用議論は公正性を欠いている  そのことそのものがプライバシーへの脅威だ」
NPO法人情報公開クリアリングハウスが声明を出しました。
深く頷ける内容です。ぜひお読みください。

clearinghouse.main.jp/wp/?p=1091

文京区議会でも関連条例が2本、総務区民委員会で審議され、10月1日の本会議で賛成多数で可決されました。

特定個人番号の利用に関する文京区条例は、今のところ個人番号の利用範囲を児童福祉や子育て支援、後期高齢者医療保険で必要な住民票や課税事務に関するものに限っていますが、国ではすでに預金や健康診断の情報などを盛り込む法改正が成立しており、5年後には利用拡大が義務化されるとも言われており、今後どうなるかは不透明です。

これまで文京区は国の動向を常にうかがい、追従する姿勢で来ましたので、いずれは膨大に集積された情報が民間を含め多方面に提供され、拡散する可能性も予想されます。

またこの条例のパブリックコメントに意見を出したところ、区議会議員だという理由で、削除されました。その理由はとても納得のいくものではなく、担当の企画課には異議を申し立てました。

区がこれまで議員の意見も区民意見として扱っていたのに、今回突然扱いを変えたことは、題材がマイナンバー制度という個人情報や権利に大きな影響を与える制度だということもあって、非常にきな臭く不安を誘います。

ところが、以前にもブログで書いたように、区長部局の方針転換と同時期に、議長から区議会議員はパブリックではないという趣旨の申し入れがあり、議員が政治的主張をパブコメに出せば公平性が損なわれるので慎むようにと言われました。

m-fujiwara.net/2015/09/04/

区議会議員は一定の区民(=パブリック)の代表であり、区が提示した施策に関するパブリック代表の意思を議会で出そうとパブコメに出そうと、あるいは両方に出そうとまったく構わないと私は考えます。議会では議決という歯止めがあり、区長部局は、個々のパブコメをどう扱うかは議員であろうとなかろうと任されているのですから、区民として誰が出そうと自由であり、特別な扱いをするにはなんらかの明文化した規定があるべきです。

区長部局の施策提案に議員が意見を述べることについて議会が自主規制をする必要はまったくなく、パブコメという議会以外の場で議長が各議員の露出度を調整する権限も根拠も当然ありません。

当否はさておき、このように内容も扱いも不透明な状況での強制的な大量の個人情報の集積は安全とは到底言えません。

クリアリングハウスの声明に賛同します。同NPO法人の理事長は、4月の選挙で私の推薦人にもなってくださった三木由希子さんです。
clearinghouse.main.jp/wp/

建築審査会で執行停止決定!

嬉しいことがありました! 12年にわたり裁判や審査請求で争ってきた小石川2丁目堀坂・六角坂のマンション。建築確認取消しを求める審査請求で、東京都建築審査会は建築確認の執行停止を決定しました。

完成間近のマンション工事は停止し、裁定を待つことになります。裁定前に出来上がってしまい、訴えの利益がなくなり、請求が却下されることだけはとりあえずなくなりました。
文京区では今、確認処分執行停止(工事ができなくなる)や特定行政庁(区長)による工事停止命令がふえています。 今回の請求代理人の方々や早稲田大学法学部の学生さんたちと現地を見てきました。

DSC_0946

DSC_0960

DSC_0961

DSC_0956

DSC_0958

DSC_0962

写真

➀区役所25階からの眺め。中央が計画のマンション。

②ル・サンク小石川後楽園。急坂の上からの眺め。住戸は完売ですが、工事日程表は白紙に。
③現場の看板。確認済証を交付した処分庁、都市居住評価センターはディベロッパー数社が作った会社で、前々文京区都市計画部長が再就職しています。前々部長は9月7日の建築審査会にも処分庁側で参加していました。
④隣のマンション最上階(6階)からの写真。東南側に3階分も高いマンションが接近し、日影が大変そう。
⑤駐車場棟は屋上に上る階段がありません。奥の住居の桜の木は枝がマンション敷地に伸長しているとして伐採されてしまいました。
⑥北西側の六角坂のクランクは車道が狭く(2m弱)、そのため春日通から工事現場までは一方通行が解除され、大型工事車が逆走していて事故もおきています。今回の執行停止を受けて、一方通行解除の許可は警察に取り消してもらいましょう。
今回の執行停止は、東京都建築審査会ではおそらく初めての執行停止事例です。 新宿区の乙女山(落合たぬきの森)や小石川3丁目のいわゆる旗竿敷地の重層長屋で過去に執行停止がありましたが、マンション紛争で建設工事が止まることは滅多にありません。
原告不適格や訴えの利益なしとして門前払いされることの多い建築紛争の原告=周辺住民です。 しかし、今回の決定書には申立人が原告適格を有していることがはっきりと明記され、また、裁決前に建築が完了してしまうことにより訴えの利益が失われ、申立人の法律上の利益の侵害等を除去することが極めて困難になる可能性を認めています。
訴えの利益を守るという立場に立ってくれていることは非常に重要で、今後の建築審査請求に希望をあたえるものです。決定書の内容は下記サイトにあります。
koishikawa2.mansion.michikusa.jp/documents/%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E5%81%9C%E6%AD%A2%E6%B1%BA%E5%AE%9A.pdf
審査請求を実際に経験された方が増えていると思います。行政不服審査法改正に関して、訴訟や審査請求がどう変わるか、日弁連で11月6日にシンポジウムを企画しています。ぜひご参加ください。unnamed

*