災害時危険回避は数値だけでは割り切れない

9月9日、文京区で初めて大雨・洪水警報による土砂災害避難準備情報が発令され、避難所が開設されました。幸い総雨量は130㎜程度でとどまり、避難勧告や避難指示には至らず、被害もありませんでしたが、そのとき対象地域となったのは以下の地域でした。


対象地域   対象人家等(戸数)
大塚5-40        2
大塚5-20      25
目白台1-18        2
目白台1-20                       8
関口2-10                           4
春日2-8                             1
白山2-3                           27
白山5-7                            14
西片2-7                            20
千駄木1-11                       51
弥生2-20                         29
弥生2-11                             9
合計                                192

開設避難所一覧
指ヶ谷小学校 白山2-28-4    03-3811-6005
青柳小学校        大塚5-40-18  03-3947-2471
第六中学校         向丘1-2-15     03-3814-6666
茗台中学校         春日2-9-5   03-3811-2969
音羽中学校         大塚1-9-24    03-3947-2771


これを見て何かお感じになりませんか?
急傾斜地危険個所が対象となっていますが、5m以上の崖が対象なのです。
区の説明では建築基準法上5m以下の崖は建築確認申請で確認義務がないからということでした。
東京都建築安全条例では2m以上の擁壁・崖を規制対象としていますが、実際に大雨で危ぶまれている崖は5m以下、2m以下のところも多いのです。
崖や擁壁は上も下も危険なのに、今回の対象地域には崖下で含まれていない箇所もあります。
崖や擁壁の境界線から何センチ以上離れていれば規制対象にならないという数値基準もあります。

法は最低基準を数値で表すことになっていますが、実際の危険は、擁壁の斜度や古さや地盤、上に建つ建築物や地盤変更など様々な要素が複合的にからんできて、数値で切り分けられないものがあります。

実際、約50年前には小石川3丁目で2mという低い崖が崩れ、下の家がつぶされ、区立小学校の児童が犠牲になる痛ましい事件もありました。
土石流は人災だ!というのは私の高校時代の担任、人文地理の岩渕孝先生の口癖でしたが、痛ましい天災も人災なのです。
想像力を駆使し、周到に防止策をとる必要があります。

小日向では盛り土をした人工地盤に擁壁をつくり、500㎡以下で開発許可をすり抜けたマンション建築を計画していて、議会に請願が出ています。
西片では、擁壁の高さが2m以下ということで安全条例の規制がかからず、下の住民が危険を訴えて建築審査会に審査請求をしている共同住宅兼重層長屋の複合建築計画があります。こちらはさらに500㎡以下しかマンションが建たない敷地に490㎡の重層長屋をつけているため、実質、規制の倍近い規模になるトリッキーさで、しかも地下を擁壁の2m以上に深く掘る計画なので、周囲の不安を余計煽るのです。

どちらも良好な低層住宅地域で、普通に開発許可をとったり、500㎡以下に抑えたりのマンションなら周囲も納得するのですが、建てたい側は最低限の数値を守るだけで目いっぱい建てるという嘆かわしい状況です。

文京区の高低差が大きい土地柄を勘案し、審査会委員の皆さんが建築物の地盤に対する影響を数値基準を超えてよく吟味し、審査会を通った合法の建物が周囲に人災を及ぼすということのないよう、くれぐれもお願いしたいと思います。

鹿児島市で一昨日、建築現場の崖崩れが起きました。幅も高さも50mという大規模なものではありますが、人災引きも切らずです。
news.ktstv.net/e59771.html

議員はパブリックコメントを出してはいけない!

意見提出制度から、パブリックコメントとして行政手続法で法制化されたのが2005年、私は2000年頃から、気がついたときはパブリックコメントをできるだけ提出するようにしてきました。それは、行政に対して何か言いたいことがあるのなら、行政が意見を求めているときにまず言うのが礼儀だと思っていたからです。
市民活動をするようになってからは、行政情報に敏感になり、単なる感想ではなく、政策提案のような意見も出すようになり、採用されたことはありませんが、諦めずに続けています。それは議員になってからも同じです。そして今までは何も言われたことはなく、普通に個人情報を抜いて公表されていました。

ところが昨日、議長から話があり、議員はパブリックコメントを出さないように、と言われました。

「議員は行政に直接意見や質問をする機会があり、一日に何度も行政はそれに答えてくれている。一般区民にはしない特別サービスを議員にはしてくれているのであり、情報量も多いのだから、パブリックコメントまで出すのは好ましくない。34人の議員がみんなでパブコメを出したら大変なことになる。2005年の衆議院総務委員会でのパブリックコメントの法制化(行政手続法改正)に関する我が党の麻生大臣の答弁によると、行政と議員以外の第三者の意見を聞くのがパブリックコメントの趣旨だから、明文化はされていないが、文京区もその趣旨を踏襲する。文京区は歴史的に議員全員の合意でパブリックコメントのルールを決めてきたので、このルールで行きたいので、従うようお願いする。理解できなければ理解せずにただ従ってほしい。明文化はしない。今回のマイナンバー条例に関するあなたの意見は削除してホームページでの公表から除外するということでいいですね。」

このような話でした。
私は、パブコメの趣旨は第三者に限らず職業や身分を問わず、広く意見を聴取し良い意見は施策に反映することだと考えるので、議員も制約を受けるべきではないと考えます。また情報を多く持つ議員が意見を提出することで何も支障はないと考えています。

納得がいかないので少し調べたところ、
総務省は行政手続法に則りパブコメを行っているが、住所氏名の記入を任意にしているので、議員や行政が出しているかどうか調査はしていないが、出してはいけないという制約は設けていない。

東京都は条例がなく、要綱で行っているが、同様に制約は設けず調査もしていない。

文京区はやはり条例がなく要綱で対応しているが、メールで提出するものについては住所氏名の記入を義務付けている。

住所氏名がなければ、ルールがどうあろうと制約はないも同然です。公表しても誰だかわかりません。それも一つの方法か。
しかし、企画政策部が集めたパブコメの内容を公表前に議長に見せるというのは、いかがなものでしょうか。

ちなみに現在募集中のパブコメ2件。総務省のものと文京区のものですが、比較しながらどうぞ提出してください。
西片町会防犯対策推進地区指定期間更新について(文京区)
www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/bosai/anzenanshin/suishintiku/nishikatachokaichikuikenboshu.html

障がい者差別解消法に基づく対応要領案について(総務省)
search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=145208604&Mode=0

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