地方議員のできること

先週末から3つの興味深い講演を聞きました。文京アカデミア講座「日本の森林と林業」、まちづくり連続講座「私たちはどのように21世紀のまちをつくっていくべきか」第3回「魅力的な都市とその制度的保障」、そして、「女性議員の『活躍』とは~2015統一地方選挙を振り返って」

偶然ですが、それぞれ妙に連関して、深く考えさせられました。

まず林業の成長産業化の可能性。共同化や団地法人化でリ・エスタブリッシュし、市場経済との使い分けによって基盤産業のない都市より、資源が豊富な地方が復権することができるのか。

次にまちづくり法制度。ローマ時代からのヨーロッパに習い、既成の市街地をそのまま都市法のルールとする、市街化を既成市街地を取り戻すというカテゴリーでくくる。そして建築基準法の改正、建築確認から許可にするとともに、事前明示基準絶対の仕組みから手続き規定重視にすることで土地利用の制御、都市空間制御をしていく。

最後に女性議員。女性の分断を引き起こしてきた男女雇用機会均等法の両面性。多様化と少子化の矛盾。都市化に取り残された地方の高齢者の問題。政府は女性の活躍と言うが、考えているのは女性の「活用」でしょう。上から目線の語り口「負担増とサービス減のリスクの公平負担」などを超えて、一億などと言わず、人口7000万の日本で、経済成長を捨て自分の人生を自分で選べる社会をローカルから創り上げて行けるか。

議員に限らず、地方自治体の住民全体の問題ですが、議員は常に議案に賛成するか反対するか、公共的妥当性を判断していかなければならず、そして自身の判断を住民に説明していかなくてはならない責任があります。

今、特に難しい判断を迫られていると感じます。人口減少社会、少子化対策をしなければならないのか。しないで縮小社会を前提に福祉重視の対策をするべきなのか。いずれにしても基盤産業の衰退した都市部は域内の派生産業だけで回るのか。そもそも地方創生って都市集中の流れと相反するのではないのか。交付金をぶら下げられながら作成する人口ビジョンで、きちんと戦略的に人口を呼び込む総合プランができるのか。今までマンションをつくり放題してきた中で人口流入し放題、域外からお金を取ってくるという点では基盤産業、移出産業と言えなくもない。が、全体の人口の減少を認めるとしたら、幻の産業となり、夢から覚めたら荒野、廃墟が残るだけかも。。。

さまざま思いを巡らし、疲れ切って月曜日を迎えた今週です。

明日の会期末。議案の議決と請願の審査があります。6月30日 午後2時~本会議場です。

各委員会で採択された請願は本会議でも採択されるか。会派の構成が変わった今議会、「安全保障関連法案の廃案を国に求める請願」が総務区民委員会で採択されたので、希望が持てます。採択のキャスティングヴォートを握ったぶんきょう未来は、安保法案廃案に賛成しながら、議会内討論に準ずる機能を持つ関連質問を封じる采配をし、また地域などというものはない、と豪語する建設委員長を擁する不思議な会派ですから、まだ予断は許せませんが、私たち地方議員は地域から国政に関してできることをするのも仕事。基礎自治体の主権者、住民の声を議会を通して国に挙げていきます。

意見書案14本全滅!

定例議会に際し、毎回各会派から意見書案が出されます。地方自治法第99条にもとづき、自治体議会から政府や関係行政庁に対し意見書を提出できるのですが、今議会に出されていた公明、未来各2本、市民の広場、共産各5本、計14本の意見書案は、すべて意見書等調整小委員会で却下されました。

この小委員会は、議会運営委員会に付属する非公開の委員会で、議事録も出ません。各会派からの議会運営委員1人ずつ5人で構成されています。意見書案や決議文案などについて討議し、全会派合意のもと文言調整などをおこない、関係省庁に提出するのです。これまで毎議会なんらかの意見書が成立し提出されてきており、2月議会では、ウィルス性肝炎患者に対する医療費助成拡充など2本、11月議会では、NPO法人税制維持など4本が合意され、提出されました。

しかし、今回は14本も力作が出されたにも拘わらず、1本も合意ができず、全滅となりました。調整如何では合意ができたものもあったと思い残念です。たとえば市民の広場からは、労働者派遣法・基準法改正案撤回を求める意見書案を出していましたが、共産党からも同法案の廃案を求める案が出てて、どちらも2会派から反対があり不成立。まあ2会派がどこかは想像がつき諦めもつきますが、市民の広場が出した「原発に依存せず自然エネルギー推進のエネルギーミックスを求める意見書案」は、1会派の反対で成立しなかったそうで、大変残念です。

➀原発依存度を極力減らし、自然エネルギー比率を極力高めること、➁パブコメの意見を最大限尊重、反映すること、の2点を要望したのですが、長期エネルギー需給見通しのエネルギーミックスでは、原発を極力減らすのではなく、ゼロにすることを求めるから賛同できないという意見でした。正直のところ、全会派合意の意見書では原発ゼロは政府与党系会派の反対に阻まれるので、徐々に極力減らすというのが限度かと思い、あえてゼロを入れなかったのですが、想定しなかった側から反対されてしまいました。

ちなみに7月1日まで、資源エネルギー庁で長期エネルギー需給見通しに関するパブリックコメントをおこなっています。ぜひ提出してください。前回パブコメは全く無視された形だったので、パブコメを最大限尊重してほしいものです。末尾に却下された意見書案を載せますのでパブコメ提出の際の参考になさってください。

search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0

 

原発に依存せず自然エネルギーを推進するエネルギーミックスを求める意見書(案)

東電の福島原発事故から4年2カ月、汚染水は増え続け、核燃料の所在は不明、放射能に汚染された様々な形の廃棄物は処分できず、収束のめども立たない一方で、原発稼働ゼロの状態は20か月以上続いています。そんな中で現在、資源エネルギー庁では7月1日期限で「長期エネルギー需給見通し」(エネルギーミックス)の策定に向けたパブリックコメントを募集しています。

欧米を見ると、福島の事故後、脱原発を決めたドイツのみならず、原発維持のイギリスも2020年に自然エネルギーの比率を30%にする目標を立て、欧州全体は2030年に45%、米国最大の州カリフォルニアは2030年に50%を目指しています。日本も、事故の責任を重く受け止めると同時に、将来に向けて安全かつ安定したエネルギー基盤を確立するために、政府が国際紛争を懸念する今こそ、自然エネルギーを推進すべきです。

自然エネルギーは、二酸化炭素排出をせず温暖化対策に貢献し、燃料資源をめぐる争いとも無縁な平和エネルギーですが、日本では電力会社の送電線への接続が困難なため、自由化が遅れ、役所の煩雑な手続きもあり、まだ海外と比べ割高です。しかし、太陽光発電のコストは4年間で6割下がっており、先行する国や地域では、自然エネルギー電力は火力や原子力発電より安くなってきています。日本も手続きの見直しを図り、加えて今は8兆円もかかっている海外からの輸入燃料費を減らし、その分で自然資源を開発・活用し、地元企業や住民が資金募集や拠出に参加できる仕組みをつくれば、地域を豊かにする安価な分散型自然エネルギーの実現は可能です。

よって、文京区議会は政府に対し、下記の事項を強く要望し、地方自治法99条の規定により意見書を提出いたします。

  1. 電力自由化の方向性を確認し、原発への依存を極力減らし、地域活性化、地方創生のためにも地域主体の分散型自然エネルギーの比率を拡大すること。
  2. パブリックコメントで寄せられた国民の意見を最大限尊重し、反映させたエネルギーミックスとすること。

年   月   日

文京区議会議長名

内閣総理大臣

経済産業大臣      宛て

資源エネルギー庁長官

子に学ばせたい教科書探し

2016年度から4年間公立中学校で使われる教科書の選定が8月までに各教育委員会でおこなわれます。

昨年、教科書検定基準と学習指導要領の解説書が、政府の統一見解にもとづく記述や領土教育の強化を求める方向に改定されて、初めての小・中・高・特別支援学校用の教科書検定結果が今年4月に公表され、現在18日まで湯島の教育センターで(中学校教科書は小石川図書館でも)特別展示をしています。19日から7月4日までは法定展示となります。

www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kyoiku/gakko/kyokasho/tenjikai.html

今回の検定では、すべての社会科合格教科書で竹島・尖閣問題をとりあげていますが、憲法や基本的人権、歴史については各会社で特徴が出ており、現場の教師たちが全ページに渡って執筆した「学び舎」版は「慰安婦」の文言を復活させているそうです。

文京区はこれまで帝国書院版を使っていましたが、来年度からはどうなるのか。

www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/20150613/CK2015061302000178.html

昨日の東京新聞の記事ですが、見て、読んで、声を上げることで教育委員会にも影響を与えられるとの意見があります。ぜひ見に行って、「これは使わせたくない」などがあれば声を上げてください。

ところで、都立中高一貫校の教科書は、中も高も東京都教育委員会が一括採択しますが、「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を使ってきました。

都立小石川中等教育学校のOBや保護者などで2005年から活動している「教科書問題を考える小石川有志の会」では、「教科書の採択にあたっては、当該校の意向を尊重すること」などを求める都教委宛ての署名をおこなっています。ぜひご協力ください。

kyuusi.blog.fc2.com/blog-date-20150512.html

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