前例のない本会議での請願起立表決

文京区議会11月定例議会は12月11日が会期末でした。
最終日の本会議で議案の採決や意見書、請願の採択が行われましたが、今回、請願の採択にあたり区議会開びゃく以来という議事進行がありました。

朝日新聞東京面参照DSC_1248

請願については、従来は付託委員会での審査結果が本会議で報告され、「報告の通りとすることに異議はありませんか?」「異議なし!」「異議あり!」で数もとらず形だけの簡易表決で採択または不採択とされる「委員会主義」がとられていたのですが、今日から文京区は委員会主義を返上し、委員会での審査を本会議の多数決で覆せる区になりました。

文教委員会に付託され審査の上採択された4件の請願が、本会議の起立表決で不採択となったのです。

この4件の請願は、区立柳町小学校の増設教室をどこにつくるかについての請願です。昨年7月からPTAなども参加して検討を重ねてきましたが、教育委員会の提示した整備方針案に賛成できない地域住民や保護者などが対案を出したにも拘わらず、対案として検討されなかったことから、PTA、OB、周辺住民、町会長たちが、再検討や取り下げを求めて提出されたものです。文教委員会ではいずれも趣旨は妥当ということで採択すべきものとされましたが、総務区民委員会で増築の設計費用の補正予算が可決されたことから、区側は「ねじれ」と称して「ねじれ」を解消するために請願の方を無きものにしたかったということのようです。私はねじれとは思っていませんが、これについては前のブログに詳述しました。
m-fujiwara.net/2014/12/10/

区立小学校なのに、地域のOBや保護者の声を斥け方針案に固執したため、決定的な亀裂が生じてしまったことは残念ですが、なにより残念なのは、市民が民主的な手法で請願を出し、民主的にロビー活動をして、極めて正当な方法で付託委員会の審査を経て採択された矢先、どう再検討するか周囲が期待を持って見守っていた中で、請願自体を無かったことにする手法がとられたことは、文の京の将来にきっと禍根を残すことでしょう。

このやり方がまかり通れば、今後多数会派の気に入らない請願が委員会で採択されたとき、いつでも覆せるということです。この手法を決めたのは幹事長会で、傍聴も許されず少数会派は入れない場ですが、委員会での採択に加わった少数会派の意見も無にされたことになります。

なぜこんなことが起きたのか。議運での議長の説明では、これまでは慣例で請願は簡易表決にしてきたが、5人以上の議員が異議を申し立てれば簡易表決から起立表決にできると会議規則にあるからとのことでした。5人以上が本会議で異議を申し立てるのか伺ったところ、5人以上の反対があると見込まれるからあらかじめ表決方法を変えると。5人が実際に異議を申し立てるのでないなら、議会規則に則ってとは言えないでしょうと申しますと、第一の理由はねじれ解消であるから異議申し立てはなくても表決方法を変えると言うのです。しかし、ねじれ解消のために慣例の簡易表決を起立に変えることができるという条項はありません。5人がいるかもしれないときは変えられるという条項ももちろんありません。

幹事長会での決定に異を唱えて我が幹事長には申し訳ないとは思いつつ、納得がいかないので食い下がったところ、ご意見は承ったので今後検討するが、とにかく今日はこれでいくと。

議長によると、委員会ではひとりの委員でも、後ろにいる会派の人数も尊重しなければならないから本会議での全議員による起立採決を採用したとのことですが、要は数の論理です。
今後請願を出す人にとって、本会議で多数の賛成が得られるかどうかを初めに考えなければならないのは、あるいは全議員にロビー活動で同意を得る必要があるということは、請願権に対する大きな制約ともなり、訴える気持ちをなえさせることでしょう。

文教委員長は請願が採択されたとき、執行部に対して、請願事項を誠意をもって活かした施策をするようにとの言葉もかけていました。あれは議長曰く何の意味もない単なる祝詞(のりと)なのだそうですが。

一所懸命文案を練り、慣れないロビー活動で議員たちと面会しながら、なんとか採択にこぎつけた請願者たちにとって、文教委員会での採択は邯鄲の夢、ぬか喜びとなったわけですが、このようなある意味前代未聞の横紙破りにめげず、意地でも民主的な手法でよい結果めざして頑張っていただきたいと心から念じます。

なお、会議規則を精査したところ、請願の扱いについては微妙な表現で、今回の裁定もあとから探した言い訳に過ぎず、実態はなりふり構わぬ請願つぶしだと白状しているようなものです。会議規則では委員会での祝詞も意味のあるものに書かれていますが。。。

今月から区のHPがリニューアルされ、例規についてはとても見やすくなったので、ぜひ区議会関係の例規集をご覧になってください。

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文京区議会会議規則参照
www.city.bunkyo.lg.jp/kugikai/reiki/103kaigikisoku.html

第八章 表決
(簡易表決)
第八十条 議長は、議題について異議の有無を会議に諮ることができる。異議がないと認めたときは、議長は、可決の旨を宣告する。ただし、議長の宣告に対し、出席議員五人以上から異議があるときは、議長は、起立の方法で表決を採らなければならない。

第九章 請願
(請願の委員会付託)
第八十四条 議長は、請願を請願文書表の配布と共に、所管の常任委員会又は議会運営委員会に付託する。
2 前項の規定にかかわらず、議長が特に必要があると認める請願は、議会の議決で、特別委員会に付託することができる。
3 請願の内容が二以上の委員会の所管に属する場合は、二以上の請願が提出されたものとみなす。

(紹介議員の委員会出席)
第八十五条 請願の紹介議員は、委員会から要求があつたとき又は紹介議員の申出を委員会が承認したときは、委員会に出席して説明を行う。

(請願の審査報告)
第八十六条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を付け、議長に報告しなければならない。
一 採択すべきもの
二 不採択とすべきもの

2 採択すべきもので、区長その他の関係執行機関に送付することを適当であると認めるものは、その旨を付記することを要する。

(請願の送付並びに処理の経過及び結果の要求等)
第八十七条 議長は、議会で採択と決定したもので、執行機関に送付しなければならないものは、速やかに送付し、かつ、その処理の経過及び結果の報告を要求しなければならない。

2 採択及び不採択の結果は、請願者に通知する。

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区議会HP 傍聴・請願・陳情の項より

www.city.bunkyo.lg.jp/kugikai/boucho2.html

(1)請願制度とは

請願は、皆さんの意見や要望を行政に反映させるため、議会に対して、文書で施策の実現などを要望する制度です。憲法に保障された国民の権利であり、文京区民に限らず、どなたでも提出することができます。

(2)審査の方法と結果の取扱い

区議会に提出された請願は、各定例会(2月、6月、9月、11月の年4回)の本会議で、請願の内容に関係する委員会に付託(審査を委託すること)されます。委員会は、その内容について賛成できるものは「採択すべきもの」、また、賛成できないものは「不採択とすべきもの」という審査結果を議長に報告し、その後の本会議で「採択」、「不採択」を決定します。
本会議で採択された請願は、区の仕事に関するものは区長等に送付し、国や都の仕事に関するものは関係機関に意見書や要望書を提出するなど、その実現方を要望し、問題の解決に努力するように求めます。
請願を提出された方(代表者)には、本会議で決定した後に、審査結果を郵送でお知らせします。なお、審査の結果、「保留」の扱いとされ、「採択」、「不採択」が決定されなかった請願については、通知しませんので、ご了承ください。
(3)請願の提出時期

請願はいつでも提出できますが、各定例会で審査を行うため、定例会ごとに締切日を設けています。
各定例会開会日の2日前(土曜、休日等を除く)の午後5時までに提出された請願は、その定例会中に審査します。なお、締切日以降または閉会中に提出された請願は、次回の定例会で審査します。

 

 

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