信義則に従い職務遂行を。

25日の本会議で第2回定例議会がおわりました。

来週から建設委員会、全会派議員有志、地方議員交流会と視察の予定が立て続けに入っています。その前に委員会報告をまとめておかなければ、、、と振り返ると、いったいあれは何だったのだろうと改めて疑問がわいてきます。

20日の建設委員会。

春日・後楽園駅前地区の巨大再開発事業の2014年4月末現在の進捗状況が報告されましたが、昨年の第2回定例会で配布された2013年4月末時点の報告とまったく同じ、一字一句変わらないペーパーが出てきました。何も進捗していないならひとこと、口頭でまったく進捗はありませんと言えば済むことです。事業概要が変わらないからこれを出し続けるとの答弁でしたが、都市計画の説明ならともかく、すでに都市計画決定した民間組合施行事業について、補助金を出す立場の責任自治体行政として区議会に進捗状況を説明するのですから、これでは意味を成しません。

私は毎年のように、直近では昨年11月の本会議において、いえ、その後2月の予算委員会でも、追加の風や交通環境調査の結果を開示するよう、事業計画や資金計画変更の現状報告をおこなうよう求めてきましたが、それについては頑なに拒まれています。予算審査の中で、事業費高騰の対策として再開発支援の緊急対策補助金獲得を目指しており、そのためには今年度末までの着工が必要だということがわかりました。

今委員会では他会派からも、公益施設の検討状況や事業費高騰による緊急対策補助金獲得に向けての支援状況等についての質問がありました。それによると保育施設は南街区の高層部で検討が進んでいるようですし、補助金も昨年度は1億6600万全額支払われたそうです。実施設計と権利変換は遅れているものの今年度末着工がなんとしても必要なので鋭意努力して進めているとのこと。権利変換は100%同意を目指しているが、やむを得ない場合は強制権利変換(強制立ち退き)をおこなうとのこと。ここまでの質疑応答でわかったことが本来は進捗状況として報告されるべきではないのか。やはり主権者納税者の区民を無視したあまりにもおざなりな報告だったと言わざるを得ません。

この法定第一種市街地再開発は、155mの超高層マンション計画をメインとする総事業費750億、補助金総額は78億、今回の緊急補助32億が獲得できれば110億という巨大事業で、風、日照、交通などの環境影響が多大なことから2009年の都市計画決定前に周辺住民は異議を唱えていました。当初から事業を成り立たせることが最優先で、採算性を根拠にどうしても超高層である必要を強調して区民を説き伏せておきながら、都市計画決定に際しては事業採算は都市計画では検討しないから根拠は必要ないと主張する、まるで先物取引の詐欺まがいの筋の悪い成立過程で、情報隠しから始まったような計画でした。ちなみにこれは区の都市計画部の主張です。

学識委員の折紙付きの日の当たらない劣悪環境の公開空地グリーンバレーが最大の公益だという言語矛盾。環境アセスメントでも都市計画審議会でも、課題はあるがとにかく決定してあげるから後でなんとか対策しなさいという予定調和の世界でした。風環境対策や交通計画などは追加調査をして実施設計で対応しろよ、周辺住民の不満を抑えた形でGOサインを出す代わりに実施設計までに情報提供して対策して合意をとれよ、という見切り発車だったと理解しています。

そして事業者に主導権が移り、事業組合が認可され、事業が進むはずでした。当然実施設計中に、こういうデータが出ましたがこういう対策でどうでしょうか、という説明が周辺住民にあり、協議の上実施設計に反映させ、合意に至るという過程が民主主義的におこなわれると考えました。ところが全然進まない。見切り発車した以上、何が起こっても責任は区がとる、と思いきや、区は民間の事業ですからと逃げ、事業者の言うなりに生データは開示せず、対策が固まり実施設計ができたら説明すると繰り返すのみ。巨額な財政援助を受けるのだから情報公開条例上の財政援助団体に指定し、情報公開を義務付けることもできるのに、区長は文書で指導はするが指定団体には認定しない。一応指導して指導に従わなければもう知らんと。

実施設計が固まってから説明会で合意が得られず、いったん決まった設計を変える変えないの押問答がまたあれば着工が遅れますよ。都計審での、住民に早めに情報を出すというお約束はやはり詐欺的空手形だったのですね。絵にかいたような癒着、利権の構造がどうしても疑われます。

もつれた糸玉の解決の糸口を模索していたところ、知人が教授や助教として勤務する早稲田大学法科大学院「リーガル・クリニック」へのお誘いを受け、相談に行きました。

www.waseda.jp/law-school/jp/about/education/clinic02.html

legal-clinic.mylawyer.jp/pc/index.html

情報公開の対象となるのは行政機関や外郭団体の持っている情報に限られるので、区が再開発組合を指定団体と認めないとなると、事業者の信義則遵守に期待するしかなく、民間事業者に情報を出させるのはむつかしい。ほぼ唯一の法的根拠となるのが環境アセス法。環境影響評価をしなければならない事業はそれなりに影響が大きく課題があれば対応する義務があるので、2008年当時の評価書や都知事見解書を再度検証して、そこに引用されている追加調査や解決策があればそれに沿って説明責任を求めることができる。というアドバイスをいただきました。

確か評価書には、風環境はすでにビル風が相当見られるので、この開発によるさらなる悪化はさほどないが、適切な対策を講じるようにというような趣旨のことが書かれていたように記憶します。(きちんと確認します!)

それにしても信義則、久しぶりに聞く言葉。民法1条2項です。「権利の行使と義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」これができていれば何も問題ないという場面がなんと多いことか。法を逆手にとってやらない理由ばかり並べているように思える文京区です。

景観づくり条例、法定再開発、まちづくり基本計画、高さ制限などなど、文京区は秩序ある街並みを保つためのさまざまな制度をつくってきました。これらはまちづくりの必須アイテムですが、基本的に多数決の原理に基づくので、すべての住民にとってベストの条件とは限らず、ときに一部の市民の生活を規制するものでもあります。

それだけに区行政は適用を適切におこなう必要があり、特に営利追求の事業者を利する制度や行為の場合は、より厳密に神経を使って運用し、チェックも怠らずするべきです。これらの制度によりもたらされる大規模な建築や道路環境の変化により、従来の安全や平和を乱される住民がいることを忘れず、間違っても口うるさい住民が重箱の隅をつつくなどと決めつけず、事業者の都合による計画変更などに際しては、再度の届け出や協議をきっちりと義務付け、説明責任を果たさせる指導をおこない、自らも説明責任を果たすよう信義に従い誠実に公務を遂行していただきたい。願いはそれに尽きます。

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