景観利益に原告適格(大阪高裁)

▼<大阪高裁>「自然公園法を根拠、景観は利益と原告適格」
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毎日新聞 6月11日(水)2時30分配信

 奈良県葛城市が国定公園内で建設を予定しているごみ焼却施設を巡り、県に建設許可の差し止めを求めた訴訟の判決で、大阪高裁(水上敏裁判長)が「良好な景観を日常的に享受している住民の景観利益は法律上保護に値する」として、住民に訴訟を起こす資格(原告適格)があると判断したことが分かった。差し止め請求自体は棄却した。自然公園法を根拠として、景観利益を理由に原告適格を認めたのは初めてとみられる。

判決は4月25日付。葛城市は2004年、「金剛生駒紀泉国定公園」内にあったごみ焼却施設「当麻(たいま)クリーンセンター」(同市当麻、11年9月に稼働停止)の跡地に、「葛城クリーンセンター」の建設を計画。これに対し、跡地から約0.5~1キロ圏内の住民9人が、建設で良好な景観が奪われるなどとして13年1月、国定公園での建設許可権限を持つ奈良県を相手取り、奈良地裁に提訴。同地裁は8月、県への許可申請がされていないことを理由に請求を却下、原告適格については言及しなかった。原告側は控訴し、葛城市はまだ、申請していない。

高裁の水上裁判長は「県が許可した後に訴訟を提起して執行停止の決定を受けることが可能」として棄却した。原告適格は、自然の風景を守るとともに国民の健康の維持などを目指す「自然公園法」や美しく風格のある国土の形成と国民生活の向上などが目的の「景観法」に基づき、「施設の稼働で騒音などの被害を受ける恐れがある人に対し、景観利益を個人の利益として保護すべきだ」とし認めた。

景観利益は住民が景観を享受する権利。大久保規子・大阪大教授(行政法・環境法)は「自然公園法と景観法の目的と仕組みに照らし、景観利益を理由に周辺住民の原告適格を認めたのは前例がないと思われ、非常に重要な判決だ。自然公園を巡る訴訟へ波及効果があるだろう」と話している。【伊澤拓也、山本和良】

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住民に景観利益を認めたことで有名な国立景観訴訟一審でも周辺住民に原告適格は認められたと思いますが、湯立坂の銅御殿訴訟などでは所有者当事者にしか原告適格は認められませんでした。

それにしても、ごみ焼却施設の建設許可差し止め請求については棄却されたそうですが、公園内にしか適地はなかったのでしょうか。文京区では、条例を改正して公園内に保育園の仮園舎や路上生活者就労支援宿舎が例外的に時限で建てられる、また建てられた事例がありますが、景観利益を主張して差し止めを求める動きはこれまでありません。真に公園の効用を求め、景観上の権利を主張したくても、迷惑施設を排斥したい意図だと思われるのはいや、というのが真意かもしれません。行政は、他に使える空地がなかったからと言っていますが、提供する地権者がいなかったのかもしれません。どうしても必要な施設が迷惑とされ、緑や景色の効用で国民の健康を守る役目の公園内にしかつくれないとしたら、日本はなんと寂しい国でしょう。

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