介護保険制度のジレンマ

DSCN1110DSCN1108土曜日のオープンスクールは18人の参加があり、高齢化社会の先行きが案じられる講演ではありましたが、みな講師鹿倉泰祐さんのお話に引き込まれ、充実した2時間半を過ごしました。

65歳以上を含む世帯数は2001年の35.8%から12年の43.4%(2093万)に増加し、高齢者だけの世帯の4割が単身で、認知症高齢者439万人の内160万人が介護保険未利用ということです。つい最近も踏切事故で多額の損害賠償を請求された事例がありましたが、高齢者の生活実態は、認知症や予備軍の増加で、老老介護や認認介護(介護者も認知症の世帯)など悲惨な現状です。

1999年の法制定当初から介護保険制度は矛盾と欠陥が指摘されていた制度です。

事業費は税と保険料で50%ずつ負担していますが、介護を受ける1号被保険者の保険料が年々ふえているほか、サービスを受けられない2号被保険者の負担する税的性格の保険料が全体の29%も占めるということは、税負担分の50%と合計すると79%におよび、本来税配分でまかなうべき制度ともいえます。

3年ごとの法改正でサービスの拡大と給付抑制がセットで出てきており、介護の社会化という目的と逆行し、自助・家族介護の方向に向かってきています。2060年には高齢化率(65歳以上)が40%と推計される中、よりきめ細かいケアマネジメントが必要不可欠ですが、不足する在宅介護サービスは破たんが心配されます。

2015年度の改正案では介護給付抑制が前面に出て、自己負担分の1割から2割への引き上げや、要支援1,2の介護認定なしの地域支援事業への移行などが問題となっています。地域事業ではボランティアなどを受け皿として想定していますが、現実に受け皿がない自治体では事業自体が成り立たず、サービスがなくなる可能性が大きいのです。

日本は先進諸国の中で対GDP比の社会保障支出は決して多い方ではなく、23位からようやく16位に上がってきた程度。介護、医療、介護予防などの公費財源の大幅引き上げなしには介護保険は崩壊の危機にあると言えます。

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