民衆の実行力、自治の力

10/31の朝日新聞 「あすを探る」 で慶応大学教授の小熊英二さんの記事を読み、

本当にそうだと思いました。

「脱原発」実現しつつある日本、「日本には偉大なリーダーはいないが、民衆の実行力は

すごい」

www.asahi.com/articles/TKY201310300731.html

 

ちょうど前日、建設委員会で大分市の「市民協働のまちづくり」を視察し、佐賀関神崎

(さがのせきこうざき)地区の自治会長、稲生亨さんの話を聞き、感動したばかりでした。

日本はかつて地域に自治制度があったのに、戦後民主主義の中で自民党政権が

中央に権力を集中させ、自治の力をそぎ取ってきたのが55年体制、戦後の歴史だった、

という話を聞いて帰ってきて、この記事を読み、相通ずる物を感じています。

その稲生さんは、かつて神崎海岸の埋立・工場誘致に反対する市民運動のリーダーで、

ウミガメが産卵し孵化する海岸を守り、海水浴場の賑わいをつくり、地域福祉のシステム

までNPOでつくってしまった凄い人。(NPO法人福祉コミュニティKOUZAKI)

県は1971年、住民に何も知らせず唐突に埋立計画をつきつけ、石油コンビナート工場

で雇用が増え豊かになるからいいだろうと言ったけれど、彼は、絶対そんなはずはない、

地域のことは地域で決める、自分たちの暮らしは自分たちで守る、と漁民とともに

立ち上がり、10年間の反対運動の末に計画を撤回させました。

情報が隠され地域に早く来ないのがいけないから早く情報を得られるようにと、

ご本人いわく地域住民の専従職員というスタンスで町会議員になったそうです。

そのとき20才代で今は68才。

今の安倍政権は、数を頼みに、秘密保護法や憲法改定などで、情報を集権化させ

個人の人権をそぐ方向に 「一気に民主主義を逆戻りさせようとしているが、市民主権、

地域の自治が基本になければ国は成り立たない」と言っていました。深く同感です。

 

市民協働が改めて着目されている今、現政権の動きは全く支離滅裂に思えます。

稲生さんの話にもありましたが、もともと民意によってしか物は動かないのです。

行政のかけ声だけでは市民は動かず絵に描いた餅になる。都合のいい悪いに

拘わらず行政は包み隠さず市民と情報を共有し、市民が自ら決め=地域を自治する中で

初めて協働が成立し物が動くのです。協働がうまく機能するには、主権者市民との

情報共有が基本です。

 

潜在的には自治する力を持ち、やればできる日本人、なんだけれど、不思議日本の

民衆の実行力っていったいなんだろう?

小熊英二さんは、既得権にとらわれた政官財に負けず実質的に脱原発を実現している

日本について、「あとは政治家がこの明白な趨勢を認識し応えられるかの問題だ」

と言っていますが、偉大ではないリーダーにできるのだろうか。

市民が自覚して自治権を取り戻すしかないように思いますが、こんなむちゃくちゃな

リーダーを圧倒的に支持している日本国民にそれができるだろうか。

そこが最大の疑問です。

 

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