街づくり条例でできること

7月3日、流山市の街づくり条例の勉強会に行きました。

“都心から一番近い森のまち” を自らのアイデンティティとする千葉県流山市。約3年の検討期間を経て昨年10月1日に街づくり条例が施行されました。自治基本条例の延長線上に街づくり条例を位置づけ、都市マスタープラン、景観計画、緑の基本計画、環境基本計画、地区計画、建築協定等、防災計画に到るまで街づくりに関係するすべての計画をカバーしたものとして「街づくり計画」を位置づけています。

3000平米以上の大規模開発では街づくり計画書以外に「構想届出書」の提出と説明会を義務づけています。もちろん建築基準法に抵触しないように開発条例と街づくり条例はつくられていますが、開発許可の前段として、開発条例で公共施設整備や環境調和に配慮した事業計画に誘導する手続き規定を設け、さらに街づくり条例に市民評価の手続きを加え、そこをクリアしないと開発条例に進めないという高度な手法が用いられています。

開発許可の数値基準や技術基準に対して、街づくり条例では定性的な「環境配慮指針」というものを設け、デザインコードを規定しています。文京区の景観ガイドラインと似ていますが、違うのは主体とやるべきことがはっきりと意識されていることと、やはり条例化の重みでしょうか。

構想届出書と説明会報告書は14日間縦覧され、期間中住民は意見書を提出でき、それに対し事業者は見解書を市長に提出し、これも14日間縦覧されます。縦覧期間中に事業者も近隣住民も市長に調停の申出をすることができ、市長は第三者機関の「街づくり委員会」に調停を求めることになります。そこで公開審査で議論がされることになります。公開は重要です。事業者に対して法的な努力義務などより格段に規制力があります。

街づくり条例は流山市の自治基本条例の基本理念にのっとり、市民参加と協働で市民が開発の良し悪しを評価するための規範になります。目的は流山市を森と緑が豊富な子育てしたくなるまちにすること、付加価値のある良質で魅力的な街づくりです。
こういうまちの建築審査会は大変かもしれませんが、住民は要所要所で事業計画にからむことができ、事前に悪い計画は排除するチャンスを得られます。

この日も建築関係の参加者からは、コスト高で利幅が減り事業者が撤退するのではないか、との懸念の声ももれましたが、住民と事業者が敵対関係ではなく、市民自治に事業者も関われる、開発者が自ら街の規範に合っているかどうかを考え、主体的に付加価値をつけ事業することができる画期的な仕組みだと思いました。

都市法体系がなかなか大きな目的に添って大きな転換をできないときに、住民が知恵を絞った結果です。
「市長がどんな人に変わっても住民自治で良い街の環境が保てる制度をつくる。」 というのが井崎市長の願いだったそうです。

「まちづくり条例がなくても今の制度で十分、まちづくり条例があってもよいまちづくりができるとは限らない。」 という基本的に住民を信じない文京区長の姿勢とは大違いです。彼此の差を思うと、絶望的な気分になりますが、とにかく、こんなことも可能だよ、ということを文京区で広く伝えるためにも、まちづくり勉強会を開いていこうと思っています。道は長そうですが。。。

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