人権を守る裁判所の役目

今年は、一票の格差や成年後見制度などに関し、憲法14条「法の下の平等」に反するという違憲判決が各地の裁判所で相次いでいます。最高裁には法令や行政行為が憲法に違反していないかを審査する違憲立法審査権がありますが、最高裁が法令を違憲としたのは戦後8件だけだそうで、今後最高裁でどういう判決が出るのか注目しています。

結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を婚内子の半分とする民法の規定が、「法の下の平等」に反するかどうかが争われた裁判で、最高裁大法廷では7月10日に当事者双方の弁論が開かれました。判決は9月頃、「違憲」と判断される公算が大きいそうです。

www.asahi.com/national/update/0711/TKY201307100630.html

www.asahi.com/shimen/articles/TKY201307100926.html

www.asahi.com/shimen/articles/TKY201307100742.html

生まれた子供にはなんの落ち度もなく、相続だけでなく社会的にも平等でなければならない。ほんとうにどうしてこんな当たり前のことが未だに実現できていないのか。ドイツやフランスは既に法改正しており、先進国では日本だけが残っています。政府は国連の人権機関からも繰り返し勧告を受けているとのこと。しかし、婚外子の問題は特に、古い家族制度を守りたい自民党政権下では、夫婦別姓でさえ実現しない中、民法改正までこぎつけるには困難が多そうです。一票の格差をめぐる問題でも同様ですが、裁判所に違憲と言われても動けない政府。情けない日本です。

親の因果が子に報い式の見せしめ的抑止効果は、はっきり言って時代遅れの上、人権侵害です。たとえその子の誕生の過程に裏切りや不幸があり、悔しくて財産を分けたくないと思っても、子どもに八つ当たりするのは筋違い。原因は親にあるのだから、親が制裁を受けるべきでしょう。

また、両親と子どもという家庭モデルだけでなく、多様な家庭がある時代に、シングルマザー・ファザーといわゆる連れ子たちという家庭もありえるわけで、全部平等な婚外子たちもあり。ひとくくりにするのは違和感があります。遅れている日本社会ではまだまだ少数者で社会的に差別を受ける弱者である婚外子の声は小さいけれども、法の下の平等という重い価値を司法や立法機関はしっかりと実現していただきたいと思います。

 

さて数日後、今度は被害者名を伏せたままの起訴は許されるのか、という東京地裁と東京地検の異例の攻防が報道されました。

www.asahi.com/shimen/articles/TKY201307130004.html

被告の冤罪を受けない権利や一事不再理の権利を守りつつ、被害者が再び被害に遭う不安に配慮し、危険を除去する方法はないのでしょうか。

問題になるのは被告の権利と事件の識別・特定ですが、ストーカー殺人事件でもわかったように、実名や現住所などの個人情報を性犯罪や男女の怨恨犯罪で公表することは取り返しのつかない二次被害をもたらすので、メールアドレスやニックネームなどで特定できるなら、実名を公表しなくても十分対応できそうな気がします。何より大事なのは命だということを基本に考えて解決をはかっていただきたいと思います。

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