自治と協働

Yes!で文京の未来を語ろう!

昨日開催された「新たな公共プロジェクト」のキックオフ集会のテーマです。これは「新たな公共の担い手専門家会議」の提言を受けて今年度立ち上がったプロジェクトですが、昨年度の地域貢献講座「まちかどミーティング」の延長線上にあります。

2月にあった「まちかどミーティング」のファイナルシンポジウムでも感じたことですが、Yes!=お互いの意見を大切にすることというのは納得ですが、Yes!=現状に否定的なことを言わず自分たちでできることを考えること、というのは少し違うのではないかと思います。

課題は、現状をきちんと評価し、否定するところは否定することから抽出できるのではないでしょうか。その上でポジティブに何をすべきか、何ができるかを考える。前向きに元気にやれることはやるとしても、現状をまず変えなければできない、変えた方がより多くのことができるなら、変えるためのエネルギーも要ります。民でやれる範囲は官の制度の枠に規定される面が大きいのです。

役所の権限は強い、法制度や計画などで規制されていることはやりたいと思っても原則的にできないし、規制がないことは何でもできてしまう。根本を変えないとできないことは頑としてあるのですから、何か障害があったとき、何をどう変えるかをきっちりと合意して、首長なり議会なりが制度を変えるまでウォッチ、チェックしていかなければなりません。

この講座への参加動機を聞かれ、「自治基本条例のときから協働協治を追いかけてきて、市民自治がどう進むか見届けたいから」と答えましたが、はっきり言って同じテーブルにいたあとの5人はしらーっとしていました。そういう固いことを言わずに目の前のことで対話をふわーっとふくらませて、できることを考えましょうよ、という無言の圧力を感じました。

確かにあの場でそこから考えるのは無理なのですが、ではこの根本的な課題と制度の自治についてはどこで合意形成をするのか。その場がないまま何度もワールドカフェというスタイルの対話集会を重ねているから、毎回消化不良で蓄積がないまま終わっているように思います。ふわーっと始まりふわーっと終わり、成果が積み上がらない。課題や制度についての討議がどこかでされ、ある程度の合意ができてからワールドカフェで対話の集会をすれば、もっと成果が上がるように思います。文京区は自治基本条例制定後、自治と協働についての論議を深めないまま、ここに来ていきなり新たな公共のしくみをワールドカフェとかで仕上げようとしているように思います。振り出しからいきなり上がりに進もうとしても無理です。今一度、自治基本条例の振り出しに戻ってつぎなる自治の枠組みに一こまずつ進める必要を感じます。

自治と協働は私の最大テーマのひとつです。

長野県飯田市、私にとって思い出深いインパクトのあるまちですが、そこでこの2月に開かれた研究集会の報告が飯田市のホームページにアップされたので、ご紹介します。

www.city.iida.lg.jp/iidasypher/www/service/detail.jsp?id=10461

実行委員会の「地域に飛び出す公務員ネットワーク有志の会」代表の椎川さんの言葉にもあるように、自治は協働から生まれる。協働がなければ自治はないのです。報告書はまだつぶさに読んでいませんが、見出しを見るとシチズンシップ教育の分科会があったようです。文京区で私が市民活動を始めてからのこの10年間のことが頭によみがえります。

文京区自治基本条例で協働協治が主理念とされ、参加・協働自治を市民発でどう進めるか、関心を持ち始めたこと。8年前、たまたま誘われて飯田市を訪問し、さらに偶然、運良く市の環境課の方から「おひさま進歩株式会社」の原社長をご紹介いただき、飯田市の市民発、参加型まちづくりやそれを原点とする自然エネルギー普及活動を知ったこと。飯田市は「環境と経済の好循環のまちモデル事業(通称まほろば事業)」を先駆的に実施し、環境モデル都市となっていました。

飯田市での見聞に啓発され、NPOの事業としてESD教育の十年の助成金をいただき、文京区で「環境市民学校」を開催したこと。その中で、飯田市のご縁でご紹介いただいた「自然エネルギー市民ファンド」から講師を派遣していただいたこと。また市民参加のまちづくりのために協働のデザイン・参加のデザインという概念を定着させたいと思ったので、協働コーディネーターの講座を企画したのです。今思い起こせばそれらの講座には、当時の区民部長や環境対策課長(現○○○○部長)も参加してくれていたのに、文京区では市民の提案を受けて行政の動きが全然進まなかったこと。残念でなりません。

自治と協働、シチズンシップ教育など参考になる報告書ですので、お暇なときにお読みください。こういう集会を文京区でもぜひ企画できればよいと思います。昨日のテーマのひとつ「もったいないこと」のテーブルで話題になった知的集約、大学との意味ある協働という点でも参考になります。

 

www.city.iida.lg.jp/iidasypher/www/service/detail.jsp?id=10461
「未来を拓く自治と協働のまちづくりを目指す飯田研究集会」記録の掲載

飯田研究集会
平成25年2月2日(土)~3日(日)に、飯田市竜丘公民館で開催された「未来を拓く自治と協働のまちづくりを目指す飯田研究集会」の記録を掲載します。

集会には全国22都府県から自治体や国の職員を中心に170人が集い、飯田型公民館活動をモデルとし、住民自治と、それを支える行政の在り方についての論議を深めました。
また、2日間の集会の記録を、平成22年度から飯田市公民館と共同研究に取り組んでいただいている東京大学大学院教育学研究科の牧野篤研究室の皆さんに筆耕いただき、それに基づき記録集としてまとめることができましたので、ここにご紹介いたします。

なお、2日間の集いの主な内容は次の通りです。
2月2日(土)
1 開会あいさつ 吉澤之榮飯田市公民館長
2 主催者あいさつ 飯田研究集会発起人代表 竹林昌秀氏(香川県まんのう町福祉保険課長:当時)
3 歓迎ミニ講演 牧野光朗飯田市長「デザイン思考的アプローチによる地域創造」
4 問題提起
「地域社会の編み直しに、私たちはどのように取り組むことができるのか」
話題提供者
船木成記氏(尼崎市顧問、元内閣府政策企画調査官)、
伊藤学司氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課長:当時)
5 映像で見る、飯田市公民館の歩み(飯田市公民館主事会作成)
6 座談会「私にとっての公民館、地域にとっての公民館」
登壇者
中島武津雄氏(飯田市議会議員)
北原研二氏(飯田市龍江公民館新聞部長)
7 初日分科会「信州・飯田の実践から、自治と協働を考える」
(1)第1分科会「若者を地域につなげる」
コーディネーター 白戸氏(松本大学教授)、
発表者
飯田長姫高校教諭 有賀浩氏
野口孝浩橋北公民館主事
下岡祥平千代公民館主事「地域人教育の実践から」
松川高校教諭宮澤洋祐氏
松川高校美術部木下愛香氏
河合雛子氏
松川町公民館主事 新井直彦氏「松川高校と地域を結ぶ取り組みから」
コメンティター
山方元氏(日本ボランティアコーディネータ協会、豊橋工業高校教諭)
(2)第2分科会「途上国の開発現場に学ぶ、自治と協働」
コーディネーター 大濱裕氏(日本福祉大学准教授)
発表者
宮嶋聡子氏(竜丘地区在住、フィリピンプロジェクトメンバー)
小島一人川路公民館主事
コメンティター 内田光俊氏(岡山市職員、ESD最終年会合準備室)
(3)第3分科会「地域マネジメントについて、最前線の現場から学ぶ」
コーディネーター 長谷部三弘氏(鎮守の杜風土舎代表)
発表者
中山将英氏(飯田市上久堅地区農業振興会議会長)
林健吾飯田市産業経済部農業課生産振興係長
8 熟議&交流会 信州飯田で自治と協働を語る

2月3日(日)
1 2日目分科会「各地の実践に学ぶ、自治と協働」
(1)第1分科会「公民館と地域づくり~松本市の地域づくり実行計画に学ぶ」
コーディネーター 松田武雄氏(名古屋大学教授)
発表者
矢久保学氏(松本市地域づくり課長)
白戸洋氏(松本大学教授)
(2)第2分科会「市民の学び方、楽しみ方」
発表者
「社会人のシチズンシップ教育(横浜)」NPO法人DOUP 築山美樹氏
「高校生のシチズンシップ教育(愛知)」豊橋工業高校 山方元氏
「ESD・公民館のまちづくり支援機能」岡山市ESD最終年準備室 内田光俊氏
「ローカルコミュニティ、ローカルテーマコミュニティの実践から(広島)」
可部カラスの会 寺本克彦氏
(3)第3分科会
「社会教育・公民館の存在意義をあらためて問う~地域づくり実践例からの考察」
コーディネーター 船木成記氏
発表者
「ソーシャルネットワーキングの取り組み」
香川県琴平町社会福祉協議会事務局長 越智和子氏
「市民主体の中心市街地の活性化」
香川県高松市創造都市推進室参事 松本欣也氏
「災害法制ワークショップ」東北大学大学院 丹野将洋氏
「安心生活の創造」
千葉県鴨川市ふれあいセンター健康推進課長 牛村隆一氏
コメンテーター 竹林昌秀氏
2 まとめの会「飯田公民館の地平を超えるために」
登壇者
伊藤学司氏
大槻大輔氏(総務省人材力活性化・連携交流室長)
船木成記氏
佐藤健飯田市副市長
司会 牧野篤氏(東京大学大学院教育学研究科教授)
3 あいさつ 伊澤宏爾飯田研究集会実行委員長(飯田市教育委員会教育長)
4 世話人代表あいさつ 竹林昌秀氏

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