思い出をつなぐ木を残すということ

10日の区報、もうご覧になりましたか?トップ記事は善光寺坂のムクノキが第1号の区指定天然記念物(文化財)になったという記事でした。幸田露伴邸前の道路上にある澤蔵司稲荷の御神木で、ランドマークとして親しまれているとても素敵な木です。

ムクノキはエノキやケヤキと同じニレの仲間ですが、枝を張る大きな木で、一里塚や寺社に多いのですが、都心では最近ほんとうに見なくなりました。でも黒い実がおいしくて、鳥も来るし、大好きな木です。文化財になっておめでとう!嬉しいです。

昨年度、文京区は緑地実態調査を実施しました。これは「文京区みどりの保護条例」に定められている「おおむね5年ごとの」調査で、実際は8年ごとにおこなわれているもので、調査報告がまとまったら行政情報センターに置かれます。販売もされるといいのですが。

9年前の調査にはNPOとして保護樹木調査に協力しましたが、当時も今も、区内の樹齢の高い大きな木の保護は大切なこととして認識はされているものの、所有者が変わりマンションなどに建て替えられると切られることが多く、課題となっています。そんな中、昨年の調査では緑被率が上がったという嬉しい話をみどり公園課から聞きました。緑視率ではなく緑被率?と思わず聞き返してしまいました。

かつて緑被率が低下した時期があり、目に見える緑をとにかくふやそうと壁面緑化や屋上緑化、その辺の花壇や植え込みなどなどひっくるめて緑視率という概念を持ちだしてきたとき、ブームとはいえ場当たり的ないい加減さにあきれましたが、やはり担当課も恥ずかしいと思っていたのですね。

今回さらに嬉しい言葉が聞けました。

緑視率というのは対象などが曖昧なので、やはり最近は緑被率で評価しています。また緑被率も上がっただけではだめで、緑の質が問題です。ワンルームマンションや中高層建築などで緑化が義務づけられていますが、大きな木を切り灌木を植えて緑化率をクリアしてもCO2吸収や生態系は保てませんから。ボリュームとしての緑が重要なのです。

まったく同感です。それには大きな木を保護し、切らないで活かす建築計画に助成をしたり、建築確認の要件となる緑化地域制度の導入が効果的なのですが、その辺は予算の関係もあるので・・・ということですが、ぜひぜひ前向きに検討していただきたいです。よくぞ気づいてくれた、というかようやくの感もありますが、わかってはいたけれど開発圧力には抗しがたいということだったのかもしれません。しかし、もうそんなことを言っていたら都市がもたないということなのでしょう。

東京都は昨年、2007年から進めてきた「緑の東京10年プロジェクト」に生物多様性や持続可能性の概念を強化し、これまでの「水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京」に加えて、気候変動対応、地球環境の視点での生態系のつながりを重視する緑施策の新展開を打ち出しています。各自治体でおこなう生き物の生息調査にはぜひ手を挙げて協力していただきたいと願います。

ところで、朝日新聞夕刊で「桜をたどって」という連載が今日で3日目です。千代田区では9年前から小学生も含めて「区の花さくら再生計画」をおこなってきたそうです。桜は人々の心をつなぎとめる木です。日本中いたるところに桜の木を残す運動があり、人々の思い出をつないできました。

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写真は小石川2丁目堀坂のみなさんがなんとか残そうとしている桜の木です。今年もこんなに豊かに咲きました。

隣地のマンション計画で枝と根を切られることになり、地域のみなさんがせめてできるだけダメージを与えない方法を探ろうと奔走しています。

それぞれの思い出が末長くつなぎとめられることを祈ります。

 

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