重要文化財の校舎で学ぶ
2013年2月24日|コラム
愛媛県八幡浜市立 日土小学校の校舎が12月に重要文化財に指定されました。
www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302220622.html
http://www.asahi.com/culture/update/1019/TKY201210190295.html
山間のひなびた温泉宿のように川に突き出た清水の舞台のような設計で有名ですが、 設計者は「日本を代表する建築家10人」にも選ばれた大洲市出身の故松村正恒氏。 八幡浜市職員時代に設計し、1950年代後半に建設されたそうです。 耐震性能を心配して建て替えを望む声も多く、補強し安全を確保した上での保存再生には 市の教育委員会も相当腐心したようです。 その甲斐あって日本建築学会賞と米国のモダニズム賞も受け、今回の重文指定で三冠王と なりました。 日土小と同じく松村正恒が市職員時代に設計した小学校を卒業したという市教委施設係長の 梶本教仁さん、土日返上で尽力した成果が実って、満面の笑顔です。 ちなみに1930年に建設された文京区の明化小学校も、木田保造という有名な方の設計施工 だそうです。木田組を率いて京華女子中高や昭和第一などの学校や、銀座松屋などの デパートも手がけたそうです。 現役でまだ十分活躍している明化小学校、重要文化財になるといいなあと思います。 子どもたちが文化財の中で学ぶことを誇りに思い、大きくなっても忘れずに大事にして くれるはずです。 今は順天堂に貸している旧元町小学校も同じく昭和初期の建物で、こちらは元町公園と セットで関東大震災復興小学校・小公園として、文化財の価値を認められています。 当時の東京市の公園課長井下清の監修で設計施工されたもので、2015年に区に返還された 後の活用について、来年度区庁内で検討会を立ち上げるとのことですが、文化と歴史を 誇る文京区として恥ずかしくない活用策をじっくりと検討していただきたいと思います。
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