自治制度改革論の動向

21日の自治制度・行財政調査特別委員会の勉強会を傍聴しました。
政府の第30次地方制度調査会委員を務められる山梨学院大学の江藤俊明教授による、
住民自治制度や議会改革の動向についての昨年12月の中間報告に沿った興味深いお話でした。
疑問が解決したというより課題が明確になり深まったという感じではありますが。

地方自治法の改正により地域主権は形だけは一気に進みましたが、住民自治=住民主権は
なかなか進みません。拘束型住民投票の導入は見送られ、ひきつづき検討だそうです。
昨年から今年にかけて、原発立地や稼働の是非を問う住民投票条例の直接請求が各地で
行われましたが、個別条例制定の直接請求には限界があり、署名は十分過ぎるくらい
集まっても議会が否決して成立しませんでした。
私も会員になっている原発都民投票の会では、個別ではなく常設型(実施必至型=署名が
集まれば住民投票をかならず行う)住民投票条例、諮問型ではなく拘束型(投票結果に
かならず従う)住民投票を求めていますが、都議会では「常設型住民投票条例制定を求める陳情」
が総務委員会で否決されました。
常設型でなければ足を棒にして署名を集めてもこのように無駄になり、拘束型でなければ
50億円もかけて住民投票をすることが無駄になりかねないので、自治法改正により導入される
としたら拘束型なのでしょう。

直接民主制は本来民主主義の基本だと思うのですが、住民の付託を受けた議会では住民投票は
議会軽視だという意見がかならず出ます。そういう議員は自分たちが住民の意思に依拠するとは
思っていないのか、鞄、看板、地盤という住民からかけ離れた宙に浮いたものに依拠すると
思っているのか、不思議なことです。

江藤先生によると、住民参加には「正当性」が認められず、決定には「正当性」をもつ委員しか
関与できないということでしたが、正当性ってなんでしょう。
無作為抽出にしても学識などの専門委員にしても正当性を担保するのは行政=首長なのだから、
もし住民投票が実現し、首長と相反する結論を住民が出したとしたら、正当同士の一騎打ちと
いうこと。住民参加に正当性がないなどと言えるのでしょうか。

議会改革ももう一歩。
政党とも違う、選挙制度ともずれる会派というのは世界でもまれな制度だそうです。
首長の追認機関としての首長与党会派が頑として存在する中での議員間討論は虚しいものです。

また、定例議会制度から通年議会制度への移行が目下文京区議会(幹事長間の懇談会)でも
議論されていますが、行政施策や情報が切れ切れに議案として出てくる制度から、
4年くらいのスパンで行政評価→決算→予算要望→予算に反映、という流れの中で議会が関与する
制度に変われば、住民の付託を受けた議会の存在意義が明確になり実効性も上がるという話には、
条例提案、決算、予算の流れになかなかついていけない私としては大いに納得でした。
もっとも勤勉で優秀な見習うべき議員さんは、今の制度の中でもきちんと行政情報をキャッチし、
流れを把握して予算審査につなげているようです。

自治の基本はお任せせず主体として参加し引き受けること。お任せは痛い散財にもつながります。
選びっぱなしはやめよう!
http://www.asahi.com/shimen/articles/OSK201302190206.html

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