武蔵嵐山の緑深い渓谷

3年前、民主党の事業仕分けで脚光を浴びた国立女性教育会館(NWEC)に、ほぼ20年ぶりに行った。2回目だが、最初の時はただ遠い、広い、立派としか思わなかったけれど、今回行ってみて素晴らしい周辺環境、贅沢な施設配置に驚いた。

地図を見ると周辺は武蔵嵐山。荒川水系の入間川流域にある都幾川に沿って緑深い渓谷が続く、武蔵の嵐山と言われる景勝地。せっかくなので散策がてら近くにある丸木美術館に寄ってみることにした。

丸木美術館の立地がまた素晴らしい。都幾川の河岸段丘の上に、川を一望して、丸木夫妻がアトリエに使っていたという日本建築が休憩所として解放されていた。ガラス戸を開け放って風通しが良く、畳に寝転がってみたら眠ってしまいそうに気持ちが良かった。

都幾川を一望する丸木美術館休憩所

展示室の中は、あっ!と思ったほど佐喜眞美術館に似ている。普天間飛行場の敷地として接収された先祖代々の土地を返還させてつくった佐喜眞美術館には丸木夫妻の作品「沖縄戦の図」が所蔵されているが、設計は佐喜眞美術館が真喜志さんで、丸木美術館は島田さんという方。当然外観は全く違うけれど、中は展示方法や事務室の窓口までそっくり、という気が一瞬したのだ。記憶違いかな?

さて、そのまま昼寝していたい気持ちを振り払ってNWECへと向かった。NWECはなんと安岡正篤の開いた日本農士学校の跡地だそうだが、森を切り開いた広々とした平地と、沢へと下りていく斜面緑地の自然をそのまま素直に生かした建物の配置と優しい設計が嬉しい。だいぶ遅刻していたけれどこのままお勉強に突入するのはもったいないので、ここでもお散歩。

この優しさ心地よさは、設計段階からすべて女性団体が関わっていたことによるのだろうか。DVやパワハラ、セクハラなどで傷つき自分を見失った女性が、心をいやしながら、勉強して力をつけてエンパワーするのにぴったりな場所のように思えた。独立行政法人NWECのあり方が問題となっているが、効率主義が優先される男性社会に染まらない、女性社会の象徴のようなこういう場所を死守したい。

本当は落語も聞くつもりだったが、とっくに終わっていたので、お目当てはフェミニスト議員連盟のワークショップ「男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害」。いかめしいテーマだなあ。男性偏重政治ってどういうことだろう。政治の世界に男性が多いから自分たちに有利なように原発を優遇するということかなあ。でもなんで原発が男に有利なんだろう。男の子の方が女の子より弱いけどなあ。。。などと考えながら斜面を下りた。

実際のワークショップでは、被災地福島、原発の近くの小浜市、岩国市、宮城県加美町の方たちが、もっとやさしい言葉で語っていた。原発立地自治体には男性議員ばかりで女性が少なすぎる。こんなに酷い目に遭い子どもたちの健康を案じて怯えているのに、現実を見ていない。現実から始めて!梅の実が今年はすごく大きい。などなど。                                 

フェミ議ワークショップ
男性もちらほら

女川原発の技術者が「機械は使えば使うほど味が出る。原発も30年くらいから調子がよくなる。40年で廃炉なんて情緒的に言うのはおかしい。」と説明したというのには笑えた。どっちが情緒的?さすがに後日女川原発の事務方から、先日は技術者の説明が悪かったので、再度事務方から説明したいと申し入れてきたそうだが、今度は加美町議会の男性議員たちが断ってしまったとか。すべて現実を見られない情緒的な男性たちの話です。

交流タイムには、スリーマイル島事件後に現地を訪れた人から、タンポポの葉が1m、カエデの葉が60cmもあったという話。原子炉はステンレスを多用するので応力腐食割れを起こしやすいから、使えば使うほど味どころか危ないという話。原発がなくなると雇用がなくなるというのは嘘で、廃炉に30年かかるから30年の雇用保障になるという話。などなど。

青森県大間原発の建設中止を求める訴訟原告団や新潟の原発県民投票条例直接請求の会からのアピールもあった。

男だからなのか、利権を得ると人間みんなバカになるからなのか、正直わからないけれど、最後に、「政策決定の場に男女がともに参画してこそ、生命や暮らしの香りのする調和のとれた政策が産み出されるので、クオータ制などの女性参画の具体策を実行してください。」という野田総理への要望書を採択して終わった。

冷却もできず、炉心溶融を引き起こし、爆発一歩手前まで経験していながら安全に賭けるロシアンルーレットのような政策こそ非現実的でメランコリーでセンチメントではないのか。女性は現実的です。

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