日本人は優しい?権利意識が甘い?
2011年9月10日|コラム
BS海外ニュースをぼんやり聞いていたら、ドイツで、隣の畑の遺伝子組み換えトウモロコシの蜜をミツバチが運び、ハチミツに組み換え遺伝子が混じってしまったので、ハチミツ業者が全量廃棄して隣に損害賠償請求をして認められた、とかいうニュースが耳に飛び込んできました。
ドイツ国民は、この先どんな影響が出るかわからない遺伝子組み換え食品は安全とは言えないので、子どもに食べさせられないと言っていました。
日本だったらどうなるだろう。
ミツバチが勝手に飛んでいって取ってきたんだし、トウモロコシ農家の財産権も保護しなければならないし、なにより全量廃棄なんてもったいないし、損害賠償なんて気の毒、ということになりそうです。
先日聞いたある講演会での話を思い出しました。
毎日新聞論説委員の野沢和弘さんのお話。
自閉症という障害を持つご長男が小さかったとき、故意にではないけれど身体的人権侵害を受けて泣いていたのに、思わず遠慮して傷を与えた相手をかばい、我が子の権利を守れなかったことが今でも悔やまれ心の傷になっているとおっしゃっていました。
ゆるぎない価値基準をもつヨーロッパ人種と比べ、私も含め日本人の多くは、ものごとの本質、軽重、優劣などをたちどころに見抜く力、そして毅然として断固とした態度をとる力に劣っているように思うのです。
放射能汚染に対する態度もそうです。
今何が一番重要か、子どもの安全のために何をすべきか、よく考えれば自明なことなのだから、調査、除染、防除、疎開と毅然として粛々と対策をしてほしいものです。
さて、今日の「絶対高さ制限を定める高度地区の区民説明会」、文京区の 行政はいったい誰を守ろうとしているのか、区民の生活?開発業者の権利?
その辺がさっぱりわからず、もどかしく、本当に苛々しました。
40人くらいの参加者は口々に、これでは高いものを建てやすくしているとしか思えないと言っていました。私もまったく同感。
紛争予防に全然ならない。なるとしても、建てられる権利を盤石にして、反対運動を萎えさせ封じ込めるだけ。
もともと容積率を余していたからこそ、ゆったりとした佇まいの良好な住宅地だったのに、容積ギリギリまで活用させたら、規制ではなくて緩和でしょう。
良好な秩序ある景観と住環境は時間の問題で壊れること必至です。区長さんや区長派の議員さんや行政は、二言目には高い建物を建てさせて儲けさせないと私権の侵害になると言うけれど、住民が良好な環境で生活する権利はどうなるの?
次なる言葉は、企業だけではなく個人の地権者も儲ける権利がある、ときっと言うでしょう。
しかし利益を上げる側と不利益を被る側、自治体行政がどちらを守るかでそのまちの姿勢、そして将来のまちの価値が決まると思う。
文京区に住み続けたいみなさん、この機会にぜひ関心を持って区行政の正体を見極めてください。
そしてダメだとなったら、文京区を捨ててどこかに・・・、いえいえ、そのときこそ毅然として住民投票条例でもまちづくり条例でも制定し、自分たちでこのまちを守りましょう。
ちなみに今日の唯一の収穫。
町会単位でもなんでも、地域で話し合いを持ち、合意ができれば、その地域の望む高さに指定できる。
都市計画部計画調整課は、呼ばれれば都合をつけて説明に行きます。とのことでした。みなさん、お呼びして来ていただきましょう!
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